所在地:奈良市菅原東町
調査年:1988~2000年
調査機関:奈良市埋蔵文化財調査センター
近鉄西大寺駅から南へ1kmの微高地上にある古墳時代前期から中期(今から約1600年前)の集落です。
大きくみて二つの集落(村)からなり、そのうち、ひとつの集落の大きさは、東西210m、南北170mです。集落の東西は、溝を掘って区画され、さらに集落の中央には幅6mの濠でかこまれた一辺37mmの方形区画がありました。区画から濠に向かって張り出し部があり、その先端には祭祀(まつり)用の井戸がありました。井戸の周囲には、祭祀の跡を示すたくさんの小穴や古墳の副葬品である車輪石が割られた状態で見つかっています。また、方形区画内の井戸寄りには、祭祀を行った有力者の住まいと思われる竪穴住居が2棟見つかっています。
有力者が水の祭祀をとりおこなうことによって、この地域を治めていたものと思われます。
(奈良市埋蔵文化財調査センター「よみがえる奈良市の歴史と文化」(2004)より引用)