はじめに

 奈良盆地歴史地理データベースは、平成16年度から奈良女子大学21世紀COEプログラム「古代日本形成の特質解明の研究教育拠点」により作成され、プログラム終了後、古代学学術研究センター(現 古代学・聖地学研究センター)へ移管され、継続してデータベースの拡充を進めています。

 現在、小字、前方後円墳、万葉歌碑、延喜式内社のデータベースについてGoogle Maps JavaScript API版データベースを公開しています。小字は古代都市(藤原京や平城京)や奈良盆地の景観復原的研究によく利用されるものです。古墳は、古代日本が形成される以前の社会構造やその変遷を知る上で、集落とあわせて必要不可欠といえます。前方後円墳は、また、万葉歌碑は歌に詠まれた場所や作者とされる人物に関わりが深い場所に建立されることが多く、万葉歌碑データベースにより、歌碑の位置・写真等を地図上に表示することは万葉故地を通じて、歌の心情や内容を理解する一助となるでしょう。そして、延喜式内社データベースは、奈良時代以降、朝廷が、都城や大和国をめぐって、どのような思想に基づいて神と関わっていたのか、どのような理論に基づいて奉幣対象の神が増やされたのか、そういった問題を考える一助となると思われます。
 その他のデータベースも部分公開しています。ご意見やご感想をお寄せいただければ幸いです。

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